
慢性的な倦怠感や不安感が何年も続いている

うつ・パニック症状を何度か発症したことがある
そんな経験をされている20代~40代の女性は、もしかしたら鉄不足が原因かもしれません。
今回は、広島の「ふじかわ心療内科クリニック」を開院し、精神科医をされている藤川徳美先生の著書、”うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった”を読んで学んだこと、読後の変化などについてお伝えしようと思います。
- 本の内容から学んだこと
- 読後の私の変化
- 本でおすすめされていた鉄サプリのレビュー
この記事を書いている私もまた、次のような悩みを抱える一人です。
- 20代でうつ病を発症したことがある
- 出産後から生理前の精神的不安に悩まされている
- 慢性的な貧血と疲れに悩まされている
私がこの本を読む前までは、自分がストレスに弱いから「うつ」になったり、不安を感じたりしてしまうのだと思っていました。
恐らくそれも原因の一つなのですが、この本を読んでからは鉄不足も原因の一つなのではと思うようになり、貧血治療を開始。食生活も見直すようになり変化を実感しています。
私の学んだことが、あなたの体や心の不調の改善に役立てば幸いです。
”うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった”で学んだこと
この本を読んで学んだことは、次の3つです。
- 貧血と診断されていなくても隠れ貧血の場合がある
- 女性がうつ・パニック症状になりやすいのは鉄不足が原因の一つ
- 甘いものが食べたくなる、いつも疲れている原因も鉄不足
どういうことなのか、それぞれ順番に説明していきます。
貧血と診断されていなくても隠れ貧血の場合がある
実は貧血には次の2種類があるといいます。
- 血中の鉄不足によっておきるヘモグロビン不足
- フェリチンという鉄を蓄えるたんぱく質の不足
多くの病院ではヘモグロビンの量で貧血であるかを判断しています。そのため、ヘモグロビンの値が正常であれば貧血と診断されないことが多いといいます。
でも実は、貧血と診断されなかった人でもフェリチンの値が低い場合があるそうです。これを「隠れ貧血」といいます。
フェリチンは血中の鉄が足りなくなると、蓄えている鉄を放出して血中の鉄分量を調節しています。フェリチンの量が少なくないと血中の鉄分を正常に保てなくなるので、鉄不足の症状が出てしまうのです。
女性がうつ・パニック症状になりやすいのは鉄不足が原因の一つ
うつ・パニック障害の主な原因は「ストレスによるセロトニンなどの脳内の神経伝達物質の減少」とされています。しかし、藤川先生のクリニックに訪れたうつ・パニック障害の女性患者の多くは、鉄不足が原因だったといいます。
藤川先生が診られたうつ・パニック障害の女性患者は、過去5年間で2,000人(本が出版された2017年時点のことだと思います)。そのうちの約1,000人は、鉄剤の投薬治療などで半年から1年で完治したそうです。
でも、なぜ鉄剤の投薬治療でうつ病やパニック障害が改善したのでしょうか。それは神経伝達物質の生産が関係しています。
神経伝達物質を作るときにはある酵素が必要なのですが、実はその酵素は鉄が足りないと働きが悪くなります。つまり、鉄が不足すると神経伝達物質の生産が滞ってしまうのです。
鉄不足で神経伝達物質が減少し、うつ病やパニック障害になりやすくなるというわけです。
うつ病やパニック障害の治療では、抗うつ剤を飲むことは知っている方も多いと思います。神経伝達物質の量を増やすことで、安心感を持てるようになるためです。
ですが、鉄が不足していては神経伝達物質の生産は滞ったままとなり、抗うつ剤を飲んでも改善されないことがあるそうです。
私はこのしくみを知ってから、貧血を治したいと思うようになりました。
甘いものが食べたくなるなる、いつも疲れている原因も鉄不足
人間のエネルギーの元となるATPをつくる経路は、次の2通りあります。
- グルコース(ブドウ糖)からエネルギーをつくる「解糖系」
- 脂肪酸からエネルギーをつくる「クエン酸回路・電子伝達系」
解糖系の経路では、グルコースからATPが2個つくられます。
一方でクエン酸回路・電子伝達系では、脂肪酸からATPが最大129個つくられます。
クエン酸回路・電子伝達系の経路の方がよりたくさんのエネルギーを得られるということです。
しかし、クエン酸回路・電子伝達系の経路でエネルギーを生産するためには、必ず鉄が必要になります。
この鉄が不足した貧血状態の場合、クエン酸回路・電子伝達系の経路ではエネルギーを作れず、解糖系でエネルギーを得るしかなくなります。解糖系ではグルコースを原料にするため、どんどん甘いものが食べたくなるというわけです。
また、解糖系ではエネルギーをつくったあとに乳酸という疲労物質が作られます。つまり、鉄が不足しているだけで常に身体がだるく疲れた状態が続くのです。
さらに女性は、生理前にも女性ホルモンの影響で甘いものが食べたくなります。女性ホルモンの調節は簡単にできないので、せめて鉄不足は解消しておきたいですね……。
生理前に甘いものを食べたくなるしくみと、解消できる食事についてはこちらを参考にしてください。
”うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった”を読んだ感想
この本でうつ・パニック障害のしくみや鉄との関係性がよく理解でき、鉄の重要性を改めて感じました。うつ・パニック障害の方だけでなく、生理前の精神的な症状がつらい人にもぜひ読んでほしい内容です。
ここでは、私がこの本を読んだ感想とともに、
- 読後の変化
- 本を参考にして試したこと
についても、お伝えしたいと思います。
自分と似た症状の人が改善した例を知れて安心した
本の中では、藤川先生が診てこられた「うつ・パニック障害」をもつ患者さんの症例がたくさん紹介されています。
その中に、私と同じような「うつ」の症状と貧血の症状を持つ女性がいたのですが、鉄のサプリメントを継続的に飲むことで、抗うつ剤なしでも症状の改善がみられたそうです。
この本から自分と似たような症状の人でも改善・回復している人がいることがわかるだけでも、とても安心しました。
女性にとって鉄はとくに大切で、貧血を軽視してはいけないことがわかり、病院で貧血治療をスタートさせるきっかけになりました。
おすすめの鉄サプリや食事が紹介されていて実践しやすい
鉄の補給が大事だとわかっても、実際どのような方法で補給すればよいかわからなければ、実践しようがありません。
しかしこの本では、藤川先生が実際に患者へ処方してきた鉄サプリの商品名や、鉄やその他に必要な栄養素を摂りやすい食事も紹介されています。
紹介されていたサプリの1つに「フェロケル」というサプリがあります。
病院で処方される鉄剤は非ヘム鉄という種類で、実はあまり鉄の吸収率が高くありません。また、鉄剤には吐き気や下痢などの副作用が出る人も多いため、飲めないという人も多いそうです。
一方でフェロケルは、アミノ酸キレート鉄という種類。鉄イオンがアミノ酸に覆われた構造をしています。そのため胃にやさしく、吐き気や消化器の不調もおこりにくい上に鉄の吸収率も高いといいます。
フェロケルは私も実際に購入して飲んでみました。あくまで私の感想ですが、1日2粒を1カ月飲み続けると貧血特有のフラフラ感がなくなり、氷も食べたくなくなりました(氷をぼりぼり食べたくなるのは貧血特有の症状です)。漠然とした不安も、心なしか解消されたように思います。
ですが、私にとってはカプセルが少し大きく、鉄の濃度が濃いためか口に含んだ瞬間に鉄臭さを感じるのが難点だと感じました。一方で、胃のムカつきは感じず貧血改善の効果を実感できたので、病院の鉄剤が苦手な人には試してほしいサプリです。
しくみの説明が難しかった
症例の説明や、食事の改善方法などの説明はとても具体的でわかりやすく感じました。
しかし一方で、病院の先生が説明する文章だからか、鉄不足で体内にどのような変化がおきるのかしくみを説明している箇所は少し難しく感じました。
しくみの理解よりも、改善策や改善した症例を知りたい方に向いている内容かもしれません。
貧血をあなどってはいけない!女性は貧血治療が必須
この本を読んで、鉄不足による貧血はあなどってはいけないことを学びました。
女性は毎月生理があるので、「貧血になるのは仕方がない」「前からずっと貧血の症状を抱えてるから慣れてしまった」と思っている人も多いかもしれません。
諦めてしまったり慣れてしまったりして貧血治療が遅れれば、憂鬱な気持ちや体調不良が長引き、うつやパニック障害を引き起こすリスクを背負うことにもなります。
しかし、鉄の補給をすることで「今までの普通が普通ではなかったこと」に気が付くかもしれません。生理前の精神的な不調がつらい人も、鉄の補給で症状が改善する可能性もあるので鉄を意識した生活を始めてみましょう!