こんにちは、今の自分を認めようとしながら亀スピードでアップデートしている髙橋ユミエ(@nikoniko_writer)です!
今回は、「自分に自信が持てないHSPの人向け」に、Google社で実践されているマインドフルネスの実践法を記した本、サーチ・インサイド・ユアセルフで学んだことを紹介していきたいと思います。
「自信は経験を積み重ねれば自然に生まれるもの」だと思っていませんか?
しかし私は、何度同じ経験をしてもなかなか自信が持てるようにはならず……。そのことに疑問を持っていました。その理由に気づかせてくれたのが本書です。
本書では、「自信とは、自分自身を知り尽くし、あらゆる状況への対処法を把握できて初めて生まれるもの」と伝えています。そして、自分自身を知り尽くすためにはマインドフルネスが有効であることや、マインドフルネスの実践方法について細かく教えてくれています。
本書は決してHSPの人に向けて書かれた本ではありません。しかし、マインドフルネスが自信につながるしくみを本書から学び、マインドフルネスがHSPの人ととても相性のよい方法だと感じました。
そこで本記事では、
- マインドフルネスが自信につながるしくみ
- マインドフルネスで自分自身を知り尽くし自信を持つ方法
について、HSPの人へ共有したいと思います。
今までマインドフルネスにピンとこなかった人も、新たな発見につながる内容です。瞑想して終わりではない、問題の根本を解決するマインドフルネスについて学んでいきましょう!
自信をつけるために足りないこと
あなたが自信を持てない理由は、自分の感情をコントロールする術を知らないからかもしれません。
初めて使う機械の使い方や、故障したときの復旧方法を知らないと、うまく操作できる自信を持てないことと同じしくみです。
しかし、どんなトラブルにも対応できる説明書があればどうでしょう?おそらく、自信を持って使うことができるのではないでしょうか。
もしもあなたが、自分の感情をコントロールできる術を知っていれば、機械と同じように自信をもって自分を操縦できるようになるかもしれません。急に湧き上がる感情にまかせて怒鳴ってしまったり、落ち込みすぎたりするこもとありませんし、もし失敗してもどんな反応をすれば回復できるかがわかっているからです。
つまり、「感情がコントロールできる」=「どんなことにも対処できる自分の取扱説明書を持っている状態」なので、自分に自信が持てるようになるというわけです。
HSPこそマインドフルネスで感情をコントロールすることが大切な理由
マインドフルネスとは、評価や判断をせずに「今ここ」に注意をして、自分を客観的に見つめる心のトレーニングのことです。
実は、自分の感情をコントロールするためには、マインドフルネスが有効だということが科学的にわかっています。有効である理由は、脳の扁桃体という部分が関係しています。
人は不安なことや恐怖を抱くような経験をすると、扁桃体が危険を察知し活性化します。すると、自分の身を守るために闘ったり逃げたりすることに全力で集中するため、思考を停止するという困った機能を発動してしまいます。
その結果、感情をコントロールできなくなり冷静な反応ができなくなる事態に……。
とくにHSPの人は、生まれつき刺激に対して扁桃体が過剰に反応しやすい特性を持っています。そのため、HSPの人は少しの刺激ですら冷静さを失い、思考を停止させてしまいやすいのです。
たとえば、不安や恐怖から次のような失敗経験をしてしまったことはないでしょうか。
しかし、マインドフルネスで心をトレーニングしている人は、不安や恐怖のようなマイナスな刺激を受けても、扁桃体が活性化する度合いが低いことが科学的にわかっていると本書には書かれています。
マインドフルネスが習慣になっていると、刺激を受けても反応を起こすまでに間をとれるためだと考えられています。
つまり、マインドフルネスを習慣にすれば、HSPのような刺激に敏感な人も冷静に反応できるようになるかもしれないのです。
マインドフルネスで自信をつける6つのステップ
サーチ・インサイド・ユアセルフによると、ネガティブな気持ち(不安・怒り・恐怖など)が湧き上がってきた時、次の6つのステップでマインドフルネスを行うと自信が持てるようになると伝えています。
仕事で成果を出せず誰かにバカにされて悲しい気持ちになったときを例に挙げて、マインドフルネスを行う手順を解説します。
1.停止する
まず、その場から立ち去ったり、10まで数えたりして、感情にまかせて反応してしまわないように一旦停止します。
2.呼吸する
反応しそうな気持ちを抑えやすくするために、呼吸に注意を向けます。鼻から息が入ったり出ていったりする様子に注目します。
3.気づく
頭や顔、胸などの体の部位ごとの感覚に注意を向け、感覚の変化に気づいてみます(これをボディスキャンといいます)。
例えば、「胸が締め付けられる感覚」や「呼吸が浅くなっている感覚」に気づくかもしれません。
そのような体の感覚に気づいたら、「私は体で悲しさを経験している」のように、体の感覚がどのような感情によって引き起こされたものなのか、頭の中で言葉にしてみましょう。
このとき、「私は悲しいと感じている」と考えないことがポイントです。「体が〇〇な感情を経験している」のように考えると、自分と感情を切り離して考えられるようになるため、自分の感情を客観視しやすくなります。
4.よく考える
通常のマインドフルネスは、自分の感情に気づけば終了です。
しかし、感情に気づくだけでは、すぐに反応しないように感情を制御できるようになるだけです。相変わらず同じような経験がきっかけでネガティブな感情が湧き上がってしまったり、適切な反応を選び取ったりすることができません。
冒頭で説明しましたが、自信を持つためには「どんなことにも対処できる自分の取扱説明書を持っている状態」になる必要があります。
そこで、サーチ・インサイド・ユアセルフで紹介されている「よく考える」フェーズでは、
- この感情はどこからきたものなのか
- どんな過去が影響しているか
についてよく考え、悲しくなった原因を探ります。
今回の例で言えば、
- 自分の頑張りは無駄だったという考えが悲しみの原因になっている
- 過去に人からバカにされた経験が悲しみの原因になっている
のように、悲しくなった原因を洗い出してみましょう。
原因がわかったら今度は、「あなたをそのような気持ちにさせた人」の立場から自分を見てみましょう。
- あなたをそんな気持ちにさせた人も幸せになりたいと思っている
- あなたをそんな気持ちにさせた人は、あなたにそれをすることで自分が幸せになれると思っている
と考えてみます。
今回の例で言えば、
あの人はわたしをバカにすることで、自分はできる奴だと安心したかったのかな?
と思えるようになるので、なんだか相手が可哀想な気さえしてきますね……。
このように、自分がネガティブな感情が湧き上がるパターンや原因を知り、相手の目線にも立ってみることで、適切に反応するための材料が揃います。
5.反応する
このフェーズでは、「良く考える」フェーズで得たネガティブな感情が湧き上がるパターンや原因、相手の目線という材料を使って、適切な反応を選びます。
ここで大切なのは、あなただけがポジティブな結果になるような反応を選ぶのではなく、あなたに関係した人もポジティブな結果になるような反応を選ぶという点です。
何で私に嫌なことをしてきた人も、いい思いをする必要があるの?
そう思うのも無理はありません。
ではなぜ、相手の幸せも考える必要があるのでしょうか。
それは、Googleで行われているマインドフルネスの目的にあります。
Googleで行われているマインドフルネスは「リーダーシップを発揮する人材を育成し、生産性を高める」ことを目的としています。そのため、相手への共感力を身に付け、組織でよりよい成果を出せるような反応を選ぶことを大切にしているのです。
では、今回挙げた「仕事で成果を出せずにバカにされた」という悲しい状況に対して、どのような反応を選べばよいのでしょうか。
- バカにされると「自分の頑張りは無駄だった」という考え浮かび悲しみの由来になっている
- あの人はわたしをバカにすることで、自分はできる奴だと安心したかったのかもしれない
「良く考える」フェーズで得た、この2つの材料に対してポジティブな結果になるような反応を選んでみましょう。
どの反応を選べば正解というものではないので難しいのですが、私は次のような反応を選ぼうと思いました。
あなたは成果を出せていてすごいね!どうしたらそんなふうにできるか教えてよ
このように、あなたをバカにしてきた相手に反応すれば、相手のプライドを保てますし、自分の頑張りを否定することなく相手から良いアドバイスを引き出せるかもしれません。互いにポジティブな結果になる反応ですね。
6.元の状態に戻る
最後に、体か呼吸に注意を向けて心を落ち着ければ、マインドフルネスで自信をつける6ステップは終了です。
しかし、ネガティブな感情を経験している最中にこのステップを冷静に行うのは難しいものですよね……。
そのような場合は、まずはネガティブな感情を経験した状況を思い出しながら、ポジティブな反応をする練習を頭の中で積み重ねてみましょう。これを繰り返すことで、ネガティブな感情が生まれるパターンや回復できる方法がわかるようになります。
その結果、自分の感情を柔軟にコントロールできるようになり、自信を持てるようになるのです。
まずはすぐに反応しないようにマインドフルネスを始めよう
今回ご紹介した自信をつけるための6ステップは、私にはけっこう難しく感じました。
何度もトレーニングする必要があると感じたので、すべてのステップを完璧にこなそうとはせず、まずはすぐに反応しない練習をしていこうと思います。
私は人の顔色や言動に敏感に反応してしまい、焦って失敗してしまいやすいことが悩みです。
マインドフルネスでネガティブな感情にすぐ反応しないようにするだけでも、焦りを止められるようになることを信じて、寝る前の5分間だけでも続けてみたいと思います!
今回ご紹介したGoogleのマインドフルネス実践法は、本書の中で書かれている一部の内容です。
自信をつけるマインドフルネス以外にも、仕事でリーダーシップをとるために必要なコミュニケーションスキルを身に付ける方法についても学べるので、参考にしてみてくださいね。