最近、未経験からフリーランスで仕事を始める主婦が増えています。
フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社の調査によれば、主婦の理想の就業形態はパート(約30%)の次に、フリーランスや自営業(約20%)が選ばれているそうです。
そういえば私もフリーライターですし、ママ友の中にも「ヨガインストラクター」「足つぼマッサージ師」「ラジオパーソナリティ」「デリショップ経営者」「キャリアコンサルタント」など、フリーランス・自営業で働く人がたくさんいます。
「私なんて活かせる経験やスキルもないし」
と最初から諦めてしまう人もいると思いますが、私のママ友の平川洋子さんは40代から未経験でヨガインストラクターを始め、自分の興味と重視したい労働条件を大切にして生き生きと働いています。
そこで今回は、洋子さんに後悔しない仕事の選び方や、フリーランスのヨガインストラクターとして活動する上で大切にしたい考え方について聞いてみました!
これから働きたいと思っているママは、新しいことを始めるチャンスです。
家計も助けながら、家事や子育ての時間も大切にできるフリーランスのヨガインストラクターという主婦の新しい働き方を知って、自分のペースを大事に生き生きと働きましょう!
【ブログ筆者】
髙橋ユミエ
東京都在中の30代ライターで、2児のママ。
プログラマーからフリーライターを4年経験。主にSEOライティングや、インタビューなどをしている。
主婦が働き方を選ぶときに何を重視すべき?
人材総合サービスの株式会社アイデムがパート・アルバイトで働く20代~40代の既婚子持ち女性に行った調査によると、仕事探しで重視する項目は、
- 労働時間・日数…94.1%
- 勤務時間帯…93.9%
- 賃金額…91.0%
でした。
私も育児中のママですが、上の3つの項目はかなり重視したいと思っています。
では、平川洋子さんがフリーランスのヨガインストラクターという働き方を選択したときは、どんなことを重視したのでしょうか?
話を聞いてみました!
子どもに合わせた働き方ができるか
どうして洋子ちゃんは、フリーランスを選んだの?
洋子さん:やっぱり子どもに合わせた働き方がしたかったからかな。
パートや会社に所属する働き方って、決められた時間で働かなくちゃいけないじゃない?だから子どもを預けて働かなくちゃいけないことが多いと思うの。
でもうちの子って、預けられるのが苦手で(笑)。自分の子どもがどういう子どもなのかによって、働き方を変えた方が私はいいなって思ったんだ。
そのために、子どもともたくさん話し合ったよ。
子どもを優先したんだね!
洋子さん:そうだね。子どもが「ただいま」って帰ってきたときに、「おかえり」って言ってあげられるのが私の理想だったから。
フリーランスなら、子どもの帰宅前までの自分の好きな時間に働けるから、理想を叶えられるって思ったんだよね。
家族と話し合うのは大切なことだよね。うちの子は幼稚園の延長保育を楽しんでたから小学校入学後も学童保育に行かせてるけど、子どもによって違うからね……。
直観に従ってみる
洋子ちゃんはどうしてヨガインストラクターをやろうと思ったの?やっぱり以前に経験があったとか?
洋子さん:いやいや。もともとはアクセサリーの企画製造会社で、企画営業職をしてたのよ。だからヨガの経験はまったくなかったよ。
え?そうなの?じゃあ何でヨガインストラクターになろうと思ったの?
洋子さん:「専業主婦なんだから、一人でなんでもやらないと!」って頑張りすぎて、子どもの夜泣きで疲れ果ててた時期があってね。育児相談員の方の勧めで子どもを一時保育に預けることになったの。預け始めたある時に、ポストにホットヨガのチラシが入ってて。
チラシには『3カ月で8kg痩せられる』って謳い文句が書いてあったの(笑)。いつもはそんな謳い文句を信じないのに、その時はなぜか「やってみたい!」って思って通うことにしたんだよね。
レッスンに行ったら、すごく気持ちよくて。
それに、レッスンでは人と比較しなくていい雰囲気だったし、誰かのママである必要がなかったから楽しかったんだよね。
いつもなら入会するかどうか一度よく考えるんだけど、またまたなぜかその時は即入会しちゃったんだ(笑)。
最初からヨガをやりたいと思って始めたんじゃなくて、チラシがきっかけだったとは意外!じゃあ、結構通い続けたの?
洋子さん:いや(笑)痩せたくて行ったのに、結局痩せなかったから8カ月でやめちゃった!
痩せなかったのはヨガのせいじゃなくて、自分が食べすぎてたせいなんだけどね(笑)。
これまでで自分が楽しいと思った経験を大切に
8カ月でヨガをやめてしまった洋子さんでしたが、またもや不思議な繋がりでヨガに興味をもつキッカケが現れます。
ヨガをやめてしまってから、どうやってインストラクターになったの?
洋子さん:実はね、そのあとダンスエクササイズの教室に通い始めたの(笑)。
そのときなぜか先生から、「インストラクターを目指さないか」って誘われたんだよね。でもそのとき、ヨガの方が楽しかったことを思い出して、お誘いを断ったのよ。
やっぱり私はヨガが楽しかったんだなって感じた不思議な機会だったよ。
ヨガの楽しさが再確認できた不思議な出来事だったね!それがきっかけで、ヨガインストラクターを目指したの?
洋子さん:いや、それがきっかけではなかったんだよね(笑)。
子どもが幼稚園に入園する頃に、旦那さんから「子どもが小学校に入学する頃には仕事を始めてほしい」って言われたんだよね。
旦那さんから働いてほしいって言われたんだね。子どもが入学したら、子どもが帰ってくるまでの時間で働き始めるママも多いよね!
洋子さん:そうだよね。でも、その時の私はあんまり働きたいと思えなかったんだよね。
働きたいと思えなかったけど、せっかくなら子どもが小学校に入学するまでのあと3年間で、好きな仕事を探そうって思ったの。
これまでの私の経験を振り返ってみて、何が楽しかったかなって考えたら、やっぱりヨガが楽しかったなって思い出して。
ヨガのインストラクターになるために、RYT200っていうヨガの国際資格を取ろうって決めたんだよね。
それでスクールに通い始めたんだね!
洋子さん:そうそう。資格が取れるスクールを探してたら、たまたま見つけたスクールがなんと、私が前に通ってたホットヨガスクールが経営しててて。それには驚いたよ(笑)。
直感に従って行動したら、どんどんヨガに引き寄せられていった感じだね!
「いつもは~しないのに、今回はこうしたいと思った」っていう直感を大切にすると、チャンスが訪れるのかもしれないね!
働き方を決めたあとにすべきこと!自分の考えだけで突っ走るのはNG
いよいよヨガの国際資格であるRYT200を取ろうと決心した洋子さん。
しかし、旦那さんにその決心を伝えると、「ヨガ講師って稼げるの?」「どんな風にやるのかわかるの?」と言われてしまい、難色を示されてしまします。
そうなんです。
いくら自分がやりたいと思っていても、家族が納得しなければ勝手に突っ走るわけにはいかないんですね。
それでは洋子さんはどうしたのでしょうか?
以下の2点を旦那さんに伝えたそうです。
旦那さんは愛する奥さんが失敗しないか、大変な思いをしないかが心配です。
なので、まず実際にヨガインストラクターをしている人の収入や進め方を調べ上げ、旦那さんにヨガインストラクターとはどんな職業なのかをプレゼンしたのです。
その熱意が伝わったのか、これ以上反対しても泣いてしまうのではと思ったのか……。
旦那さんは資格を取ることを承諾してくれたそうです。
きっとここで自分の考えだけで突っ走っていたら、家族関係に影響してきてしまいますよね。
旦那さんというストッパーで苦労はしましたが、結果的に、洋子さんが改めてヨガインストラクターの現実を知る良い機会になったのかもしれませんね。
とりあえずやってみることで分かることもある
新しいことを始めようとすると、「〇〇はこういうイメージ」という固定概念があったり、「もうちょっと経験積んでから始めよう」と思ったりして、なかなか始めようとしない人もいると思います。
しかし、とりあえずやってみることで分かることもあるので、後先を考えすぎない方が良いこともあるようです。
資格の勉強ってどうだったの?
洋子さん:自分は体を動かすのが好きで始めたけど、実際自分には難しいポーズが結構あって。私は体が特別柔らかかったわけでもないし。
結構つらいって思ってしまったこともあったよ。
でもどうして続けられたの?
洋子さん:始めは「ヨガのポーズをうまくやろう」ってことばかり考えていたけど、ヨガ哲学を勉強したときの「できるできないじゃない。人と比較するものではありません」っていう言葉がとても印象に残って。
そのときから、「あ、そうか。ヨガってうまくできることが重要ではないんだ」と思えるようになったの。
それからは勉強がもっと楽しくなったんだよね。
やってみないと気づかないことってあるんだよね!ヨガの新たな魅力に気づけてよかったね!
ヨガの資格を取ってからすぐ働き始めたみたいだけど、まだその頃は子どもが幼稚園の年中だったよね?小学校入学と同時に働こうと思ってたのに、どうして早めに働き始めたの?
洋子さん:そうなのよ。前の私なら「まだ働きたくない。とりあえず子どもが小学校に入学したら始めよう」と思ってたんだけど……。
実際に資格を取ったら、「すぐ働きたい!」って気持ちに変わってて(笑)。
スクールの先生から、「学んだことをすぐに実践した方がいい」って言われたからもあるけど。やってみて考えが変わることもあるんだよね。
それは本当にそう思う。
私も今の仕事をする前は、子どもを預けずに働きたいと思ってたけど、働き始めたら「子どもを預けて、もっと働きたい!」って思うようになったもん(笑)。
とりあえず、やってみないとわからないことってあるよね!
フリーランスを続けていく上で大事な考え方
フリーランスは自分が好きな時間に働けることが魅力ですが、収入が不安定というデメリットもあります。
私は収入を少しでも安定させるために、仕事を詰め込みすぎてしまったこともありました。
しかし、洋子さんが働いているのは飽くまで子どもが学校から帰ってくる前までの間。
「もっと稼がないと!」と焦ることがないのか、ちょっと聞いてみました!
手放すことを恐れない
フリーランスって収入が不安定だから、仕事を詰め込みたくなるけど……。
洋子ちゃんは仕事をもっと増やそうと思ったことはある?
洋子さん:私はバリバリ働いて稼ぐことより、体を休める時間と勉強する時間が必要だと思ってるの。
私は予定が入り過ぎているのがつらいタイプだったから、自分のペースに合わせて働くことを大切にしてるよ。
それに、これを言っちゃほかの人に失礼かもしれないけど、私は旦那さんっていうメインで働いてくれる人がいるから、収入を気にしすぎないのかもしれない。
そうか。私は結構「もっと稼がないと」って思ってしまう人だから、詰め込みすぎちゃうこともあって。焦らない洋子ちゃんがうらやましいな。
洋子さん:一つ私が大事にしている考え方があって。私は自分に誠実でないといけないし、自分の作ったものに誠実であることが必要と思ってるんだ。
でも、仕事を詰め込みすぎちゃうとレッスン内容を考える時間がなくなって、レッスンが雑になっちゃうと思うんだよね。こなすだけになっちゃうというか。
心の中の荷物をいっぱいにしないで、どこかにスペースを持つようにすることが大事だと思う。
抱えすぎると、できなことが増えて、それがストレスになっちゃうと思うんだ。だから今は、何もしないでテレビを観てただ笑ってるだけって時間もとるようにしてるよ!
なるほど。それはあるな。
私は収入のために記事をたくさん書くようにしていたときがあったけど、それって自分にも自分の作ったものにも誠実ではないよね。
それに仕事ばかりしてると、自分の時間がなくなったり、新しい勉強をする余裕もなくなったりするよね。
でも、専業主婦をしていたときの洋子ちゃんは、家で何もしないことに罪悪感があったはずなのに、どうして今は気にしなくなったの?
洋子さん:これはヨガとは関係ないんだけど、子どもが夜泣きをしてたとき、いろいろしたのに寝てくれなくて……。結局私が疲れちゃっていつのまにか寝てしまったら、子どもも勝手に寝てたんだよね(笑)。
それから、もういいやって。あきらめられるようになったの。不完全でいいんだって思えるようになって、いろんなことを手放せるようになったんだよね。
「こうでなければならない」っていう呪縛から解き放たれたって感じだね!
そうなんだよね。あれもこれも完璧にやろうとしなくていいんだよね!
揺らがない軸を作る
色んな事を抱えすぎないことが、結局は良い仕事をすることに繋がることがわかりました。
でもフリーランスを続けるには、収入も重視する必要はあります。
収入を途切れさせず、仕事を続けていくためにはどんなことを大切にすべきなのでしょうか。
ヨガインストラクターをしていて、つらいことって何?
洋子さん:レッスンを開催しても、人が集まらないときかな。
始めて何カ月かは人が集まらなくて、やっても意味ないのかなって思ったこともあったよ。
そのとき「好きなだけじゃ仕事は続けられないんだ。お金のことも気にしなくちゃ」って思って。
そうなんだよね。そこがフリーランスのつらいところよね。どうやって乗り越えたの?
洋子さん:お金のことも気にするのは大事だけど、自分の取得した技能を安売りしたくないって思って。
お金の面と精神面でのバランスが大事なんだよね。
「何をしたいのか」「誰にしたいのか」「いつやりたいのか」って、英語の文法の5W1Hで仕事選びの軸を決めないと、自分の技能を安売りしかねないからね。
洋子ちゃんの場合は、どんなことを仕事選びの軸にしてるの?
洋子さん:いろいろあるけど、先の展望が見えるかどうかっていうことを大事にしてるかな。
先の展望?
洋子さん:うん。レッスンの料金が多少安くても、自分の立てたコンセプトに合っていて、先のことに繋がるかってこと。
ママ向けのヨガレッスンを1回500円の安めの料金で開催してるんだけど、「普段自分のためにお金を使う機会が減ってしまったママたちのために安く開催して、そこでレッスンの時間を楽しいと感じてもらいたい」っていうコンセプトがあって始めたの。
それに先の展望もちゃんとあって。
500円のレッスンに参加してくれたママが私の別のレッスンにも興味を持ってもらえたら、それをきっかけに次の仕事に繋げられる可能性があるんだよね。
目の前の収入を考えるんじゃなくて、その先に繋がるメリットがあるかどうかで見極めるってことだね!
洋子さん:そうそう。レッスン料が安いだけで、何の展望もないならやめておいた方が私はいいと思うよ。
私のやってるライターの仕事も同じことが言えるな……。
ライターの仕事って割に合わない報酬を提示されることもあるけど、的確なフィードバックをくれるクライアントさんとなら仕事したいもんね。
実際、クライアントさんからの丁寧なフィードバックがあったおかげでスキルが身に付いて、次の仕事を獲得できたし。先の展望があるかどうかって大事だね!
最後に:働き始める前の自分に伝えたいこと
最後に、ヨガインストラクターとして2年間続けてきた洋子さんに、働き始める前の自分に伝えたいことを聞いてみました!
これから働き始めようと思っている主婦の方々は、どんなことを大切にしたら良いか参考になるかもしれません。
洋子さん:「その都度その都度、チャレンジの機会を持って来てくれる人やコトを見極めなさい。直感を信じなさい」って伝えたいかな。
直感って、本人が心の底から望んでいるものだと思うから、信じていいと思うの。
「やりたい」と思ったときが、一番いいタイミング。人の目を気にしないで、自分の感情に素直であれって思うよ。
ヨガ哲学の先生も言っていたけど、良い人やコトに出会っても、自分にそれを受信する受容体がないと気づかないんだって。
良い人やコトを「いいな!」って思えるタイミングって、受容体があるときなんだよね。
だから自分の受容体が反応したときは、自分を信じて進むべきだと私は思う。