何にでも好奇心を持って取り組める
人との交流が大好き!
そんな外交的な自分でも、家に着いたあとになぜかすごく疲れていませんか?
そんなギャップを感じている方は、もしかするとHSS型HSP(かくれ繊細さん)という気質を持っているのかもしれません。
今回は、HSS型HSP専門心理カウンセラーをされている時田ひさ子さんの著書、”その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません”を読んで知った、HSS型HSPの特徴と、生きづらさを和らげるワークについてついてお伝えしようと思います。
この記事を書いている私もまた、次のような悩みを抱える一人です。
私はこの生きづらさの原因を知りたくて、今までさまざまな心理学の本を読んできました。その中で繊細な感覚を持った気質を示すHSP(繊細さん)について知り、「もしかしたら私はHSPかもしれない」と感じたのですが……。
HSPのような繊細さは持ちつつも、人と接したり積極的に何かに参加することが苦手という部分が、私には当てはまらずにモヤモヤしていました。
そんな中、その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれませんでHSS型HSPの存在を知り、「これだ!」と鳥肌が立ったんです。
HSPっぽいけど、HSPとは何かちがう……
そう思った方がいましたら、少しでもその生きづらさを解消できるかもしれないので、最後まで読んでみてください。
HSS型HSPの典型的な特徴
HSPとはハイリー・センシティブ・パーソンの略で、敏感な感覚を持つ人のことを言います。米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念です。5人に1人が持つ気質と言われています。
HSPは、次のような悩みを抱えやすいと言います。
一方で、HSS型HSPの人は典型的なHSPの人が持つ悩みに共感できるところと、まったく当てはまらないところがあります。
それは、外部の刺激をほしがることです。
つまり、HSS型HSPの人は典型的なHSPの人とは違って、好奇心が旺盛で外交的なのです。しかし、感受性が豊かで繊細、他人に共感してしまうというHSPの特性も持ち合わせいます。
そのため、HSS型HSPの人は「常に外部からの刺激を求めるのに、周囲からどう見られているのかを強く意識しすぎることで疲れてしまう」という悩みを抱えがちです。よく使われる例えでは、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる感じのタイプです。
それでは、HSS型HSPの人は具体的にどんな悩みを抱えやすく、どんな良い面があるのでしょうか。
本を読んで共感したHSS型HSPが悩みやすい3つのこと
ここでは、その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれませんの中から、私が特に共感したHSS型HSPの悩みを3つご紹介します。
この本ではここで紹介するHSS型HSPの3つの特徴以外にも、「あるある!」と頷けた特徴がたくさん出てきました。この3つの特徴がどれも共感できたあなたは、HSS型HSPかもしれません。
特徴を知って「自分は変じゃない」「他にも同じことで悩んでいる人がいるんだ」と思えるだけで、気持ちが少し楽になりますよ。
周りが望むような自分を演じてしまう
「人と関わることが大好きなはずなのに、なぜか疲れてしまう」そんな経験がある人は、周りが望むような自分を演じているからかもしれません。
- 自分の感情が相手に受け入れてもらえるか
- 普通の人の感情とはちょっと違わないか
これを常に考えながら人と話しています。
「自分が感じたことが相手にとっては普通ではないのでは」と判断すると、それを必死に隠そうとして、周りが望むような反応を無意識にしてしまうのです。付き合う相手によって対応を変化させる、カメレオンのような感じですね。
相手にとって望む反応をしてくれるあなたは、付き合いやすい存在です。しかし、あなたは自分の感情を封印しているので本当の自分は何をしたかったのか、どんな感情を持ったのかさっぱりわからなくなってしまいます。
引き受けたり申し込んだりしたことを後悔する
HSS型のHSPさんは好奇心が旺盛なので、気分が上がっているときはやる気に満ち溢れています。そんなときは気になったイベントにすぐに申し込んだり、新しい仕事にチャレンジをしたりします。
あなたにもそんな経験はありませんか?
でも一度、気分が落ち込む出来事があるとイベントに行きたくなくなってしまったり、引き受けた仕事もやりたくなくなってしまったりします。
それがわかっているのに、好奇心には勝てずにまた同じことを繰り返してしまいます。
飽きっぽい&色んな分野に首を突っ込む
HSS型HSPさんは、興味を持つ範囲が広く、色んなことにチャレンジしてみたいと思っています。このように、複数の分野でクリエイティブに探究する人のことをマルチポテンシャライト言います。
たとえば、趣味が何カ月かおきに変わってしまったり、仕事も畑違いの分野を渡り歩いたりする感じです。
HSS型HSPさんのようなマルチポテンシャライトの場合、始めは興味を持って意欲的に取り組めるのですが……。すぐに要領をつかんでしまうので、新しいことを学んでる喜びや刺激がなくなってきます。
飽きっぽいというか、刺激や成長を求めて別のことを始めてしまうので、それが第三者から見ると「飽きっぽい」と見られてしまうのです。
そんな私も、バイオ研究⇒プログラマー⇒ライターと仕事を渡り歩いています(笑)
HSS型HSPでよかったと思うこと
HSS型HSPであることは、マイナス面ばかりだと思いがちですが、実はプラスの面もたくさんあります。本では8つ紹介されていますが、ここでは私が伝えたい3つについてお伝えします。
よい人間関係を築きやすい
HSS型HSPの人が悩みやすいことに、「周りが望むような自分を演じてしまう」と前述で紹介しました。しかし、その特徴が相手にとってはプラスに働いています。
あなたと話す相手はあなたと話しているととても心地よいので、よい人間関係を築きやすいのです。
なのできっと、友人から「あなたには話しやすい」と言われたことがあるのではないでしょうか。私もよく言わる方で、悩み相談をしてくれる人が多くいます(相談されるのは嬉しいです)。
それもそのはずです。相手に合わせて相手が嫌がるようなことは言わず、ただ聞き役になれるので、悪い気がする人がいないのです。本を読むまではそんなことが才能だと思いもしませんでしたが、特別な才能だとわかって嬉しくなりました。
人を見抜く力がある
- 話の途中で相手がどんなことを言いたいかわかる
- 他人の才能や良いところに気づく
自分のそんな面に気づいたことはありませんか?
HSS型HSPの人は直感がするどいので、人の感情をなんとなく推測できたり、人の隠れた才能や良い点がわかったりすると言います。
私も、友人や職場の人の得意なことを見つけるのが好きです。
「〇〇さんはこんなこと得意だよね。~をしてみたらいいんじゃない?」とアドバイスすると、「それ意識したことなかったけど、そうかもしれない!」と言われることがあります。
そんな能力を生かせば、仕事を適材適所に割り振れたり、我が子の能力に気が付いて伸ばしてあげられやすかったりします。
マルチな才能を発揮する
飽きっぽいのがHSS型HSPの人の悩みでもありますが、マルチな才能を発揮できる可能性があります。
あらゆる分野の仕事を経験してきた人は、何も極められていないことに落ち込むかもしれません。でも実は、これまでのさまざまな経験がすべて生かせる場面に巡り合うことだってあります。
以前私が読んだ本では、マルチポテンシャライトのことを次のように言っています。
スペシャリストもゼネラリストも価値があるし、必要とされている。ただ、求められる状況が違うだけだ!
引用:エミリー・ワプニック著 マルチポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法
マルチポテンシャライトはゼネラリスト(広範囲の知識や経験を持った人)です。専門性が求められる分野での活躍は難しいですが、視野が広いので、スペシャリストが見逃しがちなシステム全体の問題に気づく必要のある分野では活躍します。
プログラマーからカスタマーサポートになった場合は、システムのことが少しわかるのでお客さんへのヒアリングを的確にできるようになりますし、プログラマーへシステム改善の提案もしやすいでしょう。
ライターから広報になった場合、広報の知識はなくても魅力的なPR文章を書けるメリットがあります。
このように、前の経験を次のステップに生かしながら渡り歩いていける才能がHSS型HSPの人にはあるのです。
感情の起伏をしずめるための「真の感情を見つめ方」
HSS型HSPの方は、自分が本当に感じたことを隠して生きてきました。そのため、本当に常にモヤモヤした感情がつきまといます。
このモヤモヤを取り除くには、隠しすぎてわからなくなってしまった「真の感情」を洗い出し、自分で認めてあげる必要があります。そうすることで、感情の起伏をしずめる一歩を踏み出せるのです。
この本では、現在・過去・未来の角度から自分の真の感情を洗い出すワークについて書かれています。この中から、日々感じているモヤモヤを解消するために、現在の感情を洗い出すワークについて紹介いたします。
1.モヤモヤとした出来事を書き出す
日々感じた、モヤモヤとした出来事を書き出します。ここでは、感情を書き出さずにただ起こった事実について詳細に書いてみましょう。
例えば、「SNSでつぶやいたのに、誰も反応してくれなかった」という具合です。「SNSでつぶやいたのに、誰も反応してくれなくて悲しかった」のように、感情を入れ込まずに書いてください。
2.モヤモヤしたときの感情を書き出す
そのときどんな感情を持ったのかを書き出し、どんな順番で感情が推移していったかを矢印で書き表します。なかなか感情の種類がパッと思いつかない方は、次の感情の種類を参考にしてみてください。
「SNSでつぶやいたのに、誰も反応してくれなかった」というモヤモヤに対して、私が感じた感情の推移は次のとおりです。
悲しい⇒恥ずかしい⇒無理だ
でした。
3.その感情をもった理由や原因について説明する
2で感情を選んだときに考えたことを、思っていたことを書き出します。
「SNSでつぶやいたのに、誰も反応してくれなかった」に対する感情を選んでいたときは、「誰からも反応してもらえないことは恥ずかしいことで、続ける価値が無い」と思っていました。
4.選んだ感情の奥底に隠れている感情は何かを選ぶ
2で選んだ感情は建前の感情であるかもしれません。その感情は、次の4つのうちのどの感情に繋がっているかを選択してみましょう。
私は、「焦り」を選択しました。最初に選択した感情は、「悲しい」「恥ずかしい」でしたが、「早く結果を出したいという焦りからきているのかな」と思いました。
5.「本当はどうありたかったか」について書き出す
4で真の感情を洗い出せたら、「本当はどうありたかった」のかを書き出します。
私の場合は、「本当はみんなに”いいね”してもらいたかった」「私の価値を早く確認したかった」と書き出せました。
6.5で書き出した場面をイメージしたときの反応を確認する
5で書き出した「本当はどうありたかったか」を具体的に頭でイメージすると、体はどう反応するでしょうか。ほっとしたり、力が抜けたり、なんだか楽になった場合はこのワークは成功です。
あたなの真の感情について洗い出せたので、自分で「本当はこうしたかったのね」と認めてあげられることで感情の起伏を抑えることができます。
もしこのワークで、まだモヤモヤが解消できない場合は、真の感情を洗い出せていないかもしれません。過去の自分ルールにしばられている可能性があります。
その場合は過去に視点を当てて、自分の感情を隠さなければならなくなった原因を探る必要があります。この本には、過去の自分から真の感情を探るワークも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
また、この本で紹介されている方法は認知行動療法で用いられる方法によく似ています。認知行動療法に興味のある方は、こちらの記事もお読みください。